ビジネスの基本
世界の情勢や新型コロナの影響で様々なモノの値段が上がってきています。
連日どの原材料の高騰による値上げだとか、企業の努力の限界などと値上げのニュースが取沙汰されています。
日本では景気が良いのか悪いのかよくわからぬまま、企業や働く人々の苦労が絶えないだろうなあと考えさせられています。
物の価値や値段について考えるとき、商売の基本とは何かを知りたくなってきました。
そんな中、読んだ時代小説になるほどなあと納得させられる場面がありました。
時代小説にあった”気になる言葉“です。
・値引き
商売敵が現れ、商いがうまく回らなくなった場面で、
“その阿漕(あこぎ)が客に透けて見えている。いかに銭儲けとはいえ、両の目玉に文銭を貼り付けているようでは、客も興覚めしよう”
“下がり調子の折には商売の大元に立ち返る他ない”
”商売の大元とは、何よりまず客の利を考えることだ。向こう様に喜んでもらってこそ、商いは成り立つ。ふりの客(一見さん)ならなおさらだ。“
“単純なのは値引きだが、安直には行えない。自分の首はもちろん同業者の首を絞めることになるからだ。値引きのしわ寄せは必ずどこかにかかる。”
その通りだとつくづく納得してしまいます。ものを購入するとき安ければうれしく思いますが、あまり安いと不安な気持ちになる。
何か訳ありなのか、機能的に問題があるのか?それらを比較しながら決めかねている自身に情けなさを感じていますが、売る側にも葛藤があるのですね!それではどうするか?
今のビジネスに役立つ場面があります。
訳あって長年仕事をしていなかった組紐(くみひも)職人の作った帯留めの商品としての価値を見極めるため、小間物屋の目利きに、値をつけるとしたらいくらになるかを尋ねた場面で、
”仕立てってこと?ますます値打ちがある。いくつもある商品は価値が下がる“
“お決まりの色合わせとかこの模様にはこの色だとか、無難ではあるがこちらが飛びつくほどの目新しさはない。”
“無難は字の通り難がない。誰もが手にとるから売れ行きも良い。だが価値を知る者は並では納得しない。他の者と一線を画してこそ意味がある。”
“この帯締めには、その目新しさがある。”
値段だけではなく、“価値”が重要ということですね。
つまり繰り返しになりますが、
“商売の大元とは、何よりまず客の利を考えることだ。向こう様に喜んでもらってこそ、商いは成り立つ”
なるほど、商売の基本はここにあったと考えさせられる言葉です。
売る方にも買う方にもきちんとした“軸”や“ビジョン”を持つことが大切なのですね!
値段ばかり気になり“〇〇%OFF”の見出しに踊らされ、安物買いで失敗を繰り返してきた自分が恥ずかしくなります。
これからは、価値を見極め(値引きも見ながら)失敗しない買い物をしていこう。
売り手と買い手のビジョンを見極めながら。
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