わきまえる
先日コロナが少し下火になったのを見計らって足立美術館に行ってきました。
山陰本線安来駅からシャトルバスを利用させていただき、以前から行きたいと思っていた念願の美術館です。
足立美術館は今秋開館50周年を迎え、「日本庭園」「横山大観」「現代日本画」に加え「魯山人館」がオープンしたそうです。
日本庭園は、旅行ガイドによく出ている有名な庭園です。借景の手法で彼方の山々を取り込み、「枯山水庭」や「白砂青松庭」など趣の異なる美しい庭園が広がっている評判通りの素晴らしい庭園でした。
ここでは、横山大観をはじめとした近代の日本画、北大路魯山人の書や陶芸などが収蔵されていてとても充実した内容です。
今までよく知らずに見ていた日本画ですが、特に横山大観「春風秋雨」や榊原紫峰「菊花」などの美しさに感動しました。
後日、日本画、横山大観などを調べていると何やら面白そうな「猿猴捉月」という画題が目につきました。
もちろん画も美しいのですが、画題が気になったので調べてみた“初めてその意味を知った言葉”です。
・猿猴捉月(えんこうさくげつ)
猿猴捉月は、猿(さる)猴(猿の別名)捉(つかむ)月という仏教の譬喩(比喩)に由来するようで、
その意味は、
「猿たちが井戸水に映った月をとろうと木の枝にぶらさがって、数珠つなぎになったとたんに枝が折れてしまい、全員井戸の底に落ちて死んだという説話」からきていて「猿猴(えんこう)月を捉とらえる」と読むそうです。
転じて「欲をおこして前後をわきまえず、無謀な行動をとって大失敗すること。身のほど知らずが、その結果身を滅ぼすことのたとえ。」
実際の画は、少し雲がかかった月が井戸に映り、取りに行きたくなるような何とも言えず美しいものでした。
この画にそのような深い意味があるとも知らず見ていたとは、知らないことが多いなあと痛感させられました。
無謀な行動で大失敗したことはないのですが、欲を出した小失敗、身のほど知らずに自ら引き起こした小失敗など数多くの失敗を重ねてきました。
早くにこの言葉を知っていたらなあ、肝に銘じていたらなあと感じた言葉です。
猿猴捉月(えんこうさくげつ)、何事もわきまえる。
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