2022年7月15日金曜日

美しさ

 


美しさ

 

 先日書店に行き、植物図鑑を購入しました。

街で目にする植物の名前もわからずにいたので、これでは面白くないと思い購入したものです。

 写真を見ていると、この木はどこかで見たような、あそこに咲いていた花はこれかな?などと自然に触れているような気になります。

 

 早朝の散歩で可憐に咲くいくつもの花を目にします。今まで特に気にしていなかった道端に色とりどりの小さな花が咲いていました。

 花の写真から名前や特徴がわかるアプリがあることを知り試してみました。すると聞いたこともないような名前がすぐにわかりその特徴などが丁寧に説明されていました。すごい技術だなあと感心させられます。

 さらに植物図鑑で調べてみると、花の時期や手入れ方法なども細かく知ることができます。

 図鑑のページをめくることで結構楽しみが増え、心豊かになったような気がします。 

 可憐な花に見入っているとき、美しさに関する言葉を思い出しました。 

時代小説に出てきた“初めて知った言葉”です。

 

・西施の顰みに倣う(せいしのひそみにならう)

 物事の本質をとらえず、うわべだけむやみに人のまねをすることのたとえ。

 「美人の西施が、病気で顔をしかめたところ、それを見た醜女が、自分も顔をしかめれば美しく見えるかと思い、まねをしたという「荘子」天運の故事から」

 善し悪しも考えずに、人のまねをして物笑いになる。また、他人にならって事をするのをへりくだっていう言葉で顰みにならう。

 この醜女は美しいを知るも、美しい意味が理解できていなかった、という意味だそうです。

 「顰(ひそみ)」とは、眉間にしわを寄せて顔をしかめることを表すそうです。

 

 元々は、中国の「荘子」にある次のような故事からの出典です。

 ”中国の春秋時代、越の国に西施(せいし)という美女がいた。

 西施が胸を病み、顔をしかめているのを見た醜女が、自分も眉間にしわを寄せれば美しく見えると思い、里に帰ってそれを真似た。

 それを見た人々は、あまりの醜さに気味悪がって、門を固く閉ざして外に出なくなったり、村から逃げ出してしまったという。

 そこから、善し悪しも考えずに他人の真似をすることや、他人と同じ行動をする際、見習う気持ちであることを表す謙遜の言葉として、「顰に倣う(西施の顰みに倣う)」と言うようになった。”

 人の行動を見ながら真似てみたり批判してみたりしていた自分を反省させられる深い意味があったのです。

これからは、うわべだけではなく本質的な善し悪しを見極め、物事の美しさを探していこう。

2022年7月8日金曜日

道楽

 


楽しむ

 

先日郵便局から「本人限定受取郵便(特定事項伝達型)」が届きました。

 

何だこれ?と思い調べてみると、

“この郵便物は、確実に受取人ご本人さまにお渡しする郵便サービスで、お渡しの際、受取人ご本人さまから日本郵便の配達人等に顔写真付きの本人確認書類(「運転免許証」、「マイナンバー(個人番号)カード」等)をご提示いただく必要があります。利用できる本人確認書類は下表を参照ください。 

いずれの書類も、現在の氏名、住所、生年月日が記載されており、当社手続日時点で有効なものに限ります。”

となっていました。

本人確認書類なら運転免許証があるのでこれを使用することにし、Webで手続きをしていくと、“本人確認書類記号番号”なる箇所があります。

これは何?と思いながら説明書を読んでも、“全角で入力”とだけでした。

ネット上で調べてみるとやはり同じように思う方々が多いようで、免許証番号を入力すればよいとのことがわかりました。他に特別なものがあるのかと悩んでしまいました。

これで一通り手続きは終わりましたが、“本人確認書類記号番号”の説明は全くなく、これでみんなわかるのだろうか?自分だけが理解できないのだろうかと悩みました。

いわゆる“わかりにくい取説”で、作成者本人はわかっているのだろうけど、読み手には理解できない箇所がある、さらに高齢者になると理解力が不足しているのか、わかりにくいものなのです。

もう少し人に理解してもらおうとしていただけるとありがたい。逆の立場に立って取説を読んでいただければと思います。

そんな勝手な不満を持っていた時に読んだ時代小説にあった気になる言葉“です。

 

・道楽

  

調べてみると、“本職以外の道にふけり楽しむこと。趣味として、ある事柄を楽しむこと。”とありました。

また時代小説の中では、“道を楽しむのだから大いなる無駄、無駄だから楽しい。”とも書かれていました。

本当に楽しむとはこういうことなのか、と思わされる言葉です。

また、この小説には論語からの引用で、“これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず”とも書かれていました。

何かを知っているというのは、それを好きだという境地に及ばない。しかし、それも楽しんでいる境地の深さにはかなわない。という意味だそうです。

取説作成を好きになっていただければ、高齢者にもわかりやすい取説ができるのではないかと思わされる言葉です。

 また、楽しみがなければ、人は人として生きる価値を見出せなくなる。日常から色が消えたようになる。

あまり深く物事を考えてこなかった今までを反省し、これからは、臥遊(寝そべって絵地図を眺めながら、思い出して楽しむ)しつつ“道楽”を見つけよう。

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